「将来的に太陽光発電で売電できなくなる?」
「設備を導入して10年経ったらどうする?」
2024年11月現在、太陽光発電を導入すると売電で収入を得られたり、電気代を大幅に節約できると話題になっています。
しかし、太陽光発電で売電できなくなるという噂もあります。導入を検討していて、電気を売って収入を増やそうと考えている人は不安になるかもしれません。
この記事では、太陽光発電で売電できなくなるのかを徹底解説します。電力会社に買い取ってもらう以外の活用方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
太陽光発電で売電できなくなるのは誤解!
太陽光発電で売電できなくなるのは誤解です。買い取り手続き後に設置した場合は、設備を処分するまでは電気を売れます。
売電開始から10年間で固定価格買取制度(FIT)が終了するだけです。金額は変動しますが、継続して買い取ってもらえます。
しかし、電力会社によっては、FIT終了後に手続きが必要な可能性があります。太陽光発電の売電について気になる場合は、丁寧に説明してくれる業者に相談しましょう。
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太陽光発電で売電する仕組み【基礎知識】
- ・FIT制度で10年間は同じ価格で買い取ってもらえる
- ・11年目以降の太陽光発電の売電は手続きが必要な可能性がある
- ・全量買取と余剰買取は自分で選べる
FIT制度で10年間は同じ価格で買い取ってもらえる
太陽光パネルで発電した電気は、売電開始から10年間は同じ金額で買い取ってもらえます。
2012年7月に施行された電気の固定買取制度(FIT)で、10年間は同じ売電価格が適用されます。略称の「フィット」「フィット法」と呼ばれる場合が多いです。
FIP制度は事業者向けの買取制度
売電に関する制度はFIT以外にもう1つあります。FIP(フィップ)制度は、事業者向けの内容です。
FITと似ていますが、個人で利用する場合はFIPを気にする必要はありません。FITは固定価格を保証しますが、FIPは市場価格に変動する買取制度です。需要と供給で金額は決まります。
ただし、再生可能エネルギーを促進する目的で国民から割賦金を集めてその分を上乗せします。細かな違いは下表を確認しましょう。
説明 | |
---|---|
FIT制度 (Feed-in Tariff) |
フィード・イン・タリフという英語の略称です。電気の固定価格買取制度で、個人向けの太陽光発電では、10年間同じ金額で買い取ってもらえます。 |
FIP制度 (Feed-in Premium) |
フィード・イン・プレミアムという英語の略称です。事業者向けの制度で、卸電力取引市場で自由に売買されます。再生可能エネルギーを促進するため、売電する場合はプレミアムと呼ばれる補助額が上乗せされます。 |
11年目以降の太陽光発電の売電は手続きが必要な可能性がある
11年目以降の太陽光発電の売電は、手続きが必要な可能性があります。利用している地域の電力会社によって違います。
例えば、東北電力で売電契約をしている場合は、FIT開始から10年後に電話手続きが必要です。(参考:東北電力)
期間満了の4ヶ月前を目安に事前通知が届く可能性が高いです。連絡がなかったり、疑問点がある場合は、各電力会社に問い合わせましょう。
全量買取と余剰買取は自分で選べる
説明 | |
---|---|
全量買取 | 太陽光パネルなどで発電した電気をすべて買い取ってもらうこと。 |
余剰買取 | 発電した電気の自家消費して、余った分を電力会社に買い取ってもらうこと。割合は調整可能。 |
発電した電気は、全量買取と予想買取の2種類から選べます。
発電したすべての電気を売るのが、全量買取です。反対に、一部を自分で消費して余った分を売電するのが余剰買取です。
ちなみに、設定を変更すれば消費と売電の割合を調整できます。2024年11月現在は、電気代が上がっているため、消費を多めにするほうがお得です。
太陽光発電は出力制御される場合がある
利用する電力会社や時間帯次第では、出力制御で太陽光発電で売電できない可能性があります。
出力制御とは、電気が過剰に供給される場合に売電を一時的に抑える仕組みです。送電線に流せる総量には限りがあるため、コントロールしています。
ただし、2024年11月現在、東京電力では出力制御を一切していません。また、実施している地域でも30分~1時間の実施が多いため、余計な心配は無用です。
太陽光発電の売電価格【2024年最新】
- ・2024年度の太陽光発電の売電価格
- ・過去10年間の太陽光発電の売電価格
- ・FIT制度終了後の売電価格【2024年11月時点】
2024年度の太陽光発電の売電価格
売電価格(1kWhあたり) | |
---|---|
10kW未満 | 16円 |
10~50kW未満 | 屋根設置 12円 |
屋根設置以外 10円 |
|
50kW以上 | 入札により確定 ※対象外の場合は9.2円 |
2024年11月現在の売電価格は、1kWhにつき16円です。家庭の太陽光発電システムは、ほとんど10kWh未満に該当します。
10kW以上の設備は事業者向けなので、家庭用で導入する場合は気にする必要はありません。
過去10年間の太陽光発電の売電価格
売電価格(1kWhあたり) | |
---|---|
2024年度 | 16円 |
2023年度 | 16円 |
2022年度 | 17円 |
2021年度 | 19円 |
2020年度 | 21円 |
2019年度 | 24円 |
2018年度 | 26円 |
2017年度 | 28円 |
2016年度 | 31円 |
2015年度 | 33円 |
2014年度 | 37円 |
10kW未満の場合の買取価格・期間等|資源エネルギー庁のデータ
過去10年の売電価格を見ると、減少傾向にあります。2014年度と比べると11円下がっています。
太陽光発電の導入を検討しているなら、今年度中がおすすめです。将来的には、さらに下がる可能性があります。
迷っているなら、ぜひAoieへご相談ください。シミュレーション後に最適なご提案をいたします。
FIT制度終了後の売電価格【2024年11月時点】
売電価格(1kWhあたり) | |
---|---|
北海道電力 | 8円 |
東北電力 | 9円 |
東京電力 | 8.5円 |
中部電力 | 7円 |
北陸電力 | 8円 |
関西電力 | 8円 |
中国電力 | 7.15円 |
四国電力 | 7円 |
九州電力 | 7円 |
沖縄電力 | 7.7円 |
FIT制度終了後の売電価格は、各電力会社で異なります。利用する地域で決まります。
2014年以前に太陽光発電システムを設置した場合、1kWhあたりの売電価格は7~9円です。
2024年11月現在、売電価格が一番高いのは東北電力です。しかし、2024年度にFITを適用した人よりは、単価が7円安いです。
太陽光発電の契約から売電までにかかる期間・手続き
- ・太陽光発電は売電するまでに4ヶ月ほど掛かる
- ・電力会社と資源エネルギー庁の両方に申請が必要
太陽光発電は売電するまでに4ヶ月ほど掛かる
太陽光発電の導入から売電するまでに掛かる期間の目安は4ヶ月です。
資源エネルギー庁のよくある質問によるとFIT制度の適用申請から、認定されるまで2~3ヶ月です。また、電力会社の手続きでも10営業日~1ヶ月ほど要します。(参考:東北電力)
見積もり依頼から数えると、半年ほど掛かる場合もあります。太陽光発電の導入を考えているなら、早めに問い合わせるのがおすすめです。
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売電するには電力会社と資源エネルギー庁の両方に申請が必要
太陽光パネルで発電した電気を売るには、電力会社と資源エネルギー庁の両方に申請が必要です。
施工業者で申請してくれる可能性が高いです。しかし、一部個人情報が必要な場合があるため、提供の依頼があったときは協力しましょう。
Aoieでは、売電の手続きに関してのご質問を受け付けています。心配な場合は、お見積もり時にご相談ください。
11年目以降の太陽光発電の活用方法は3つある
FIT終了後(卒FIT)の活用方法
- ・現在の電力会社で売電を続ける
- ・新しい電力会社で売電する
- ・売電せすに自家消費する
FIT期間終了後(卒FITしたとき)の太陽光発電システムの活用方法は3つです。まず、同じ電力会社で売電を続けることが挙げられます。
次に、別の電力会社で売電する方法があります。手続きをすれば、買取先の切り替えが可能です。売電価格が上がる可能性もあります。
最後は、売電せずに自家消費する方法です。電気代が上がっているため、2024年11月以降に11年目を迎える人にはおすすめです。蓄電池を導入すると効率よく電力を使えます!
太陽光発電は自家消費メインがおすすめな3つの理由
- ・電気代を節約できる
- ・災害や停電の対策ができる
- ・売電価格に依存せずお得に使える
電気代の節約になる
太陽光発電した電気を自家消費すると、電気代を抑えられます。
発電に使う化石燃料の供給の問題で、電気代が高くなっているため、売電しなくても十分お得です。
自家消費する場合は、蓄電池を設置して同時に活用するのがおすすめです。日中に貯めた電気を効率よく夜間でも使えます。
災害や停電の対策ができる
太陽光発電システムを設置すると、災害や停電時に備えられます。
太陽光発電システム自体が壊れていない前提ですが、天候が良ければ、日中に電気が使えます。冷暖房やお湯を沸かすなどの用途で利用できます。
また、災害・停電対策として利用する場合も、蓄電池と合わせて利用するのがおすすめです。貯められる装置があれば、時間帯問わずに電気を使えます。
売電価格に依存せずお得に使える
発電した電気を自家消費すると、売電価格を気にせずに済みます。電力会社に売らないため、買取金額は関係ありません。
太陽光パネルで発電して自分で使うので、買う電気の量が少なくなって節約できます。2024年11月現在は、電気代が高いので、自家消費のほうがお得です。
例えば、中部電力の「従量電灯B」を契約中なら、1kWhあたり21~29円の電気代を支払います。対して、FIT適用時の売電価格は16円なので、自家消費したほうが5円以上安いです。
FIT制度終了後の売電・自家消費のシミュレーション
- ・卒FIT後も売電重視で運用する場合
- ・卒FIT後は自己消費型に切り替えた場合
卒FIT後も売電重視で運用する場合
売電の収入 | 29,750円 |
---|---|
電気代の削減額 | 56,072円 |
1年間の総額 (得する金額) |
85,822円 |
※自家消費30%の想定
- その他の前提条件
-
- ・太陽光発電設備のシステム容量:5kW
- ・年間発電量:5,000kWh(5kW✕1,000時間)
- ・年間の消費電力:3,960kWh
- ・売電価格は東京電力の8.5円/kWhを適用
消費電力3,960kWhの計算は、環境庁のデータにある3,950kWhを12ヶ月で割って、四捨五入で整えた数値です。(1ヶ月あたりの消費電力が330kWh)
発電量は季節により変動しますが、一定であると仮定したうえで計算しています。また、算出過程で四捨五入している場合があります。
太陽光発電システムを設置して、10年以上経ったときに売電中心のまま運用すると、1年間で8.5万円ほどお得です。
2014年にFITを適用して売電を開始していると、1kWhあたり31円以上でした。しかし、現在は8円程度まで下がっています。単純計算で3分の1以下になります。
卒FIT後は自己消費型に切り替えた場合
売電の収入 | 12,750円 |
---|---|
電気代の削減額 | 122,524円 |
1年間の総額 (得する金額) |
135,274円 |
※自家消費70%の想定
- その他の前提条件
-
- ・太陽光発電設備のシステム容量:5kW
- ・年間発電量:5,000kWh(5kW✕1,000時間)
- ・年間の消費電力:3,960kWh
- ・売電価格は東京電力の8.5円/kWhを適用
消費電力3,960kWhの計算は、環境庁のデータにある3,950kWhを12ヶ月で割って、四捨五入で整えた数値です。(1ヶ月あたりの消費電力が330kWh)
発電量は季節により変動しますが、一定であると仮定したうえで計算しています。また、算出過程で四捨五入している場合があります。
太陽光発電システムを設置して、10年以上経ってから自家消費メインで運用すると、毎年13.5万円ほどお得になります。
売電の割合が高い場合と比べて、自家消費のほうが年間で5万円お得になる計算です。簡易的なシミュレーションですが、自家消費のメリットが大きいとわかります。
太陽光発電の導入を検討しているなら、10年以降も想定するのがおすすめです。Aoieでは詳しいシミュレーションをご提示いたします。ぜひ一度お問い合わせください。
太陽光発電を設置して11年目以降の人の口コミ評判
11年前に家を建て太陽光発電パネルを搭載した
当時、設備費は10年でペイ出来ると言われていたが、売電総額だけでは13万ショートした。しかし、実際には昼間の自家消費による買電が減っているので、実質的にはペイできていることになる
今のパネルと価格ならもっと早いんだろうな。— ちぃず💓めぐみんしか勝たん (@since20130222) January 11, 2024
11年前にオール電化、太陽光発電システムを導入…
売電期間が今年6月で満期を迎えて…
新らたに蓄電池を導入しました😅
それに合わせて、エコキュートも入れ替え😅これから電気代も上がるから…😅
少しでも自己消費にまわるかなぁ?😅#太陽光発電システム#エコキュート#蓄電池導入— まっちゃん☆彡 (@he2guang3) August 2, 2023
「売電だけでは10年で元が取れなかった」「エコキュートも入れ替え、電気代も上がるから自己消費しよう」など、11年目以降の人たちのリアルな意見がありました。
売電だけでは10年で元が取れない可能性があります。また、自己消費を重視しようという人もいました。
2024年11月現在は、電気代が上がっているため、自己消費のほうがお得です。実際のユーザーの声と重なっています。
太陽光発電で自家消費を活用する方法
- ・蓄電池を導入する
- ・エコキュートを設置する
- ・V2H(Vehicle to Home)を導入する
- ・ZEH住宅として建築・リフォームする
蓄電池を導入する
太陽光発電で自己消費を活用する最もメジャーな方法は、蓄電池の導入です。太陽光で発電した電力を貯められるので、効果的に消費できます。
また、蓄電池の導入と合わせて、夜間の電気料金が安いプランへ変更するのがおすすめです。さらに電気料金を下げられます。
蓄電池の種類や選び方については以下の記事で説明しているので、詳しく知りたい場合は参考にしてください。
エコキュートを設置する
太陽光発電システムと合わせて、エコキュートを導入するのも自己消費を効率化する方法です。
電気でお風呂のお湯を沸かす機器で、発電した分をエコキュートで消費できます。
ランニングコストが高いガス機器をあまり使いたくない、光熱費を安くしたい場合はエコキュートの導入も検討しましょう。
V2H(Vehicle to Home)を導入する
電気自動車のV2Hを導入するのも、活用方法として挙げられます。Vehicle to Homeの略で、ヴィークル(自動車)から家に給電する仕組みです。
正確にはV2Hではなく、「電気自動車に貯められるようにする」という説明が正しいです。蓄電池も導入する前提で、発電した電気を家・車の両方で活用しましょう。
ちなみに、V2Hは対象車種が限られています。災害時の備えとして、「移動できる蓄電池」という側面もあります。
ZEH(ゼッチ)住宅として建築・リフォームする
ZEH(ゼッチ)とは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称です。「エネルギー収支をゼロにする家」という意味で使われています。(参考:経済産業省)
断熱で使うエネルギーを少なくして、太陽光発電で創り出す、省エネの家を指します。
省エネ性能が低いガス機器をやめて、IHヒーターなどの電化製品を多くすると、効率よく自家消費できます。補助金がもらえるケースも多いので、以下記事も参考にしてください。
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【よくある質問】太陽光発電で売電できなくなる?
太陽光発電で売電できなくなると言われる理由は?
A.
売電できなくなると噂される理由
- ・10年間の固定価格での買取が終了するから
- ・売電価格が下がり続けているから
太陽光発電で売電できなくなると言われる理由は、FIT制度による10年間の固定価格での買取が終了するからです。
ほかには売電価格が下がり続けており、不安に感じている人の意見がネットで流れています。
2024年11月時点では、10年以上経った人も売電できます。太陽光発電を検討していて不安な場合は、「Aoie」へお気軽にご相談ください。
今後は太陽光発電が売電できなくなる可能性はある?
A.
将来、太陽光発電で売電できなくなる可能性は低いです。買取価格は下がっていますが、政府で推進しています。
ただし、ルールが変更される可能性はあります。2012年から太陽光発電の買取を開始していますが、現在は2017年に改正されたFIT法が元になっています。
ちなみに、電気料金は年々増加しているため、自分で電気を使うほうがお得です。売電できなくなっても、自家消費すれば損はしません。
太陽光発電を導入して11年目以降はどうしたらいい?
A.
FIT制度が終了する11年目以降も売電したい場合はどうする?
A.
FIT制度終了後も継続して売電したい場合は、電力会社で申請が必要な場合があります。
例えば、東北電力の場合は、申請が必要です。東京電力・関西電力は手続きしない場合は自動的に売電契約が継続されます。
ただし、売電価格はどの会社も10円以下です。自家消費したほうがお得に使えます。
太陽光発電の11年後の売電価格は?
A.
2024年11月現在、太陽光発電の設置から11年目を迎えた場合の売電価格は7~9円です。買い取ってくれる電力会社で異なります。
今から太陽光発電を導入して、11年後いくらになっているかはわかりません。
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まとめ:太陽光発電の売電は継続できるが自家消費がおすすめ
太陽光発電で売電は続けられますが、自家消費のほうがおすすめです。売電価格は減少しており、売る場合の収入は過去に比べて低いです。
一方で電気代は値上げされています。自家消費して、電力会社から買う量を減らすほうが節約できます。Aoieでは、売電・自家消費について細かくシミュレーション可能です。
太陽光発電システムの導入時に10年後、20年後の発電量をご提示できます。お客様に合わせて、節約効果が高い最適な組み合わせをご提案いたします。
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