「太陽光発電の今後はどうなる?」
「売電価格や制度の将来性は?」
2024年11月現在、電気代を大幅に節約する目的で太陽光発電システムを導入している人は多いです。あるいは、これから設置を考えている人も少なくないです。
しかし、太陽光発電の今後が心配で導入を迷っている人も多いでしょう。売電価格が下がったり、制度がなくなるなどの不安を感じている人も……
そこでこの記事では、太陽光発電の今後や将来性について、徹底解説します。買取制度や個人利用と事業での側面、導入コストなどを説明しているので、ぜひ参考にしてください。
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目次
太陽光発電の今後|買取の将来性
- 固定買取価格は減少傾向
- FIT満了後の買取価格の目安は1kWh7~9円
- 太陽光発電がFIT対象外になる時期は不明
- 太陽光発電は自家消費のほうがお得
太陽光発電における固定買取価格は減少傾向
FITの 売電価格(1kWhあたり) |
|
---|---|
2024年度 | 16円 |
2023年度 | 16円 |
2022年度 | 17円 |
2021年度 | 19円 |
2020年度 | 21円 |
2019年度 | 24円 |
2018年度 | 26円 |
2017年度 | 28円 |
2016年度 | 31円 |
2015年度 | 33円 |
2014年度 | 37円 |
10kW未満の場合の買取価格・期間等|資源エネルギー庁のデータ
太陽光発電の売電価格は減少傾向です。過去10年の固定買取料金の推移を見ると、徐々に下がっています。
日本だけではなく、世界的に売電価格は下がっている傾向です。導入費用が低下しており、合わせて買取料金も減少しています。
一部の人が、太陽光発電をやめたほうがいいと言う理由は、売電価格の減少が原因です。しかし、適用してから10年は一律価格で買い取ってもらえるため、導入が早いほどお得に使えます。
FIT満了後の買取価格は1kWh7~9円
2024年11月現在、電気の固定買取制度「FIT」の期間終了後の売電価格は、1kWhあたり7~9円です。
利用地域の電力会社で異なります。電気の買取価格を保証するFIT制度での売電単価が下がっているため、今後は連動して少なくなる可能性があります。
ちなみに「2019年問題」が一時期話題になりました。2009年当初に売電を開始したユーザーが10年を迎えて、余剰電力の用途をどうするかという課題です。多くの人が自家消費する方法で解決しました。
- FIT満了後の売電価格【2024年11月現在】
-
売電価格(1kWhあたり) 北海道電力 8円 東北電力 9円 東京電力 8.5円 中部電力 7円 北陸電力 8円 関西電力 8円 中国電力 7.15円 四国電力 7円 九州電力 7円 沖縄電力 7.7円
太陽光発電がFIT対象外になる時期は不明
太陽光発電がFIT制度の対象外になる時期は不明です。将来的に、継続や制度変更されるか具体的に決まっていません。
固定買取制度のFITの対象は、太陽光発電・風力・水力・地熱・バイオマスがあります。日本は再生可能エネルギーを推進しているため、売電価格を保証しています。
ちなみに、再生可能エネルギー全般のFIT制度については、2022年に「当面は基本的な枠組みを維持」という方針が示されています。
産業用の太陽光発電はFIP制度に移行した
産業用の太陽光発電は、FITからFIP制度に移行しました。設備の発電容量を基準に、市場に連動して価格が決められるようになりました。2017年当初から徐々に基準が下がっています。
FIP制度は、市場価格に連動しますが「プレミアム」という上乗せが入ります。再生可能エネルギーの発電促進のために、政府が一部負担する仕組みです。
しかし、金額が一律であるFITのほうが良い制度です。住宅用の太陽光発電も、今後FIPに移行する可能性があるので、検討中なら10年固定価格で買い取ってもらえるうちに導入しましょう。
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太陽光発電は現在・今後ともに自家消費のほうがお得
太陽光発電は自家消費のほうがお得です。2024年11月現在、電力会社から購入する単価のほうが、売電価格よりも高いです。
電気料金の値上がりと、売電価格の低下が重なり、2020年頃に逆転しました。また、今後も同じ傾向が続く見込みであるため、将来的にも自家消費するのがおすすめです。
太陽光発電は、電気料金の節約目的で導入する人が多いです。光熱費を抑えたいなら、導入を検討しましょう。蓄電池とセットで設置すると効果的に支出を減らせます。
太陽光発電の今後|個人住宅向けの将来性
- 住宅用太陽光発電システムは普及する見込み
- 個人向け太陽光設備の導入費用は下がっている
- 太陽光発電で電気を自給自足する動きがある
住宅用の太陽光発電システムは普及する見込み
太陽光発電システムを設置する住宅は増加する見込みです。日本政府は、2030年までに新築住宅の6割に導入するという目標を掲げています。
2023年10月時点では、目標達成は厳しいと評価されています。しかし、累計では設置する住宅が増えています。2022年のデータでは、太陽光発電設備の導入件数は1年間で19万件でした。
近所に設置している家が少なくても、日本全体で見ると太陽光発電を設置している家庭は珍しくないです。
個人向け太陽光発電システムの導入費用は下がっている
個人向けの太陽光発電システムの導入費用は低減傾向です。直近2年間の比較では、ほぼ横ばいですが、2012年から見ると下がっています。
家庭用の太陽光パネルの全体の価格平均で見ると、集計当初から18万円低下しました。
ただし、現在は太陽光パネルに使われるポリシリコンや銅・アルミなどの原材料の価格が上がっています。今後も値上がりする可能性があるため、早めに相見積もりを取って費用を確認しましょう。
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太陽光発電で電気を自給自足する動きが見られる
太陽光発電で、家庭の電気を自給自足させる動きがあります。
例えば「東京都で実施される太陽光発電の設置義務化」が挙げられます。電気エネルギーを多く消費しているため、住宅にソーラーパネルを設置して節電しようという試みです。
大手ハウスメーカーが施工する新築住宅は、設置義務があります。詳しくは「東京都の公式サイト」を確認しましょう。
エネルギーリフォームで補助金のサポートがある
政府や地方自治体は、新築以外にもエネルギーリフォーム向けの補助金制度を設けています。ZEH(ゼッチ)と呼ばれる住宅にすると、掛かった費用の一部が戻ってきます。
ZEHとは、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略称です。「ゼッチ」と読みます。エネルギー収支をゼロにする家という意味で使われています。(参考:経済産業省)
断熱で使うエネルギーを少なくして、太陽光発電で創り出す、省エネの家を指します。導入を検討している場合は、以下の補助金について説明している記事を参考にしてください。
蓄電池で自家消費を効率化できる
太陽光発電と蓄電池をセットで利用すると、自家消費を効率化できます。
蓄電池に電力を貯められるため、日中に発電した電気を夜間でも使用可能です。消費効率も上がります。
また、蓄電池に貯めた電力を停電時に利用できます。太陽光パネルだけ設置した場合は使えないため、合わせて活用する価値があります。
太陽光発電の今後|技術の将来性
- 今後設置される太陽光パネルは発電効率が高い
- パワーコンディショナーも小型で効率的になる
- 画期的な太陽光パネルが開発されている
今後設置される太陽光パネルは発電効率が高い
太陽光発電システムに使われるソーラーパネルは、発電効率が良くなっています。
2002年頃はセル変換効率が18%以下でしたが、2023年10月にシャープが33.66%の変換効率を達成したとニュースになりました。しかも、薄型になっています。
太陽光発電に関する研究は継続されているので、今後も発電効率のアップが期待されます。また、将来性の高い薄型パネルも登場する可能性が高いです。
パワーコンディショナーも小型で効率的になる
太陽光発電システムに含まれるパワーコンディショナーも、小型化され効率的になります。必ずパネルと合わせて設置される、交流と直流を変換する機器です。
2024年11月現在は、個人宅の室内にも設置できるような小型モデルが既にあります。また、インターネット接続できる機能もあります。
最近は、AIによる自動制御もできるようになっているため、今後も進化する確率が高いです。
将来性のある画期的な太陽光パネルが開発されている
将来的に、画期的な太陽光パネルが商品化される可能性が高いです。例えば、ガラスと一体になったペロブスカイト太陽電池の開発が進んでいます。(パナソニック公式プレスリリース)
また、特許技術を使って、フィルムなどの表面に塗るだけで発電できるインクを開発したスタートアップ企業もあります。(2022年6月8日の日経新聞の記事)
暮らしに密着した太陽光発電の研究・開発が実施されているため、今後は気軽に設備を導入する家庭やビルなどが増えるでしょう。
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太陽光発電の今後|ビジネス・産業の将来性
- 太陽光発電ビジネスから撤退した企業は多い
- 産業用も自家消費がメインになった
- 太陽光発電ビジネスに将来性はある
太陽光発電ビジネスから撤退した企業は多い
太陽光発電の事業者は、2012年と比べて減りました。売電価格が下がって、収益が悪化した企業はビジネスから撤退しています。また、新型コロナウイルスでの景気後退も原因です。
2012年は1kWあたり一律40円で買い取ってもらえました。しかし、2024年11月に太陽光発電設備を導入すると、市場価格によって変動しますが半額以下の可能性が高いです。
過去は、深く考えずに参入しても利益になりましたが、今では戦略を考えて事業に参入しないと成功しません。
産業用の「ミドルソーラー」も自家消費がメインになった
10~50kWの発電設備「ミドルソーラー」も自家消費がメインになりました。
当初は、小規模な事業用として設置していたものの、政府や協会の方針変更で消費をメインにするような内容に変わりました。
太陽光発電ビジネスに将来性はある
ネガティブな情報が多く見えますが、実は太陽光発電ビジネスは将来性があります。
技術革新で導入コストが下がると、売電価格が低くても収益を挙げられます。また、日本は再生可能エネルギーの拡大を目標としているため、補助金などの後押しをしてくれる可能性が高いです。
事業用で設備を設置しようか検討している場合は「タイナビNEXT」で問い合わせましょう。
太陽光発電の今後|日本と世界の動向
- 日本政府は3つの目標達成を目指している
- 今後2030年問題に対応する必要がある
- 世界では太陽光発電の導入が前年比64%増加
- 売電価格は世界と日本で同等の基準
日本政府は3つの目標達成に向けて太陽光発電を促進している
実現目標 | 目標 期限 |
|
---|---|---|
カーボン ニュートラル |
温室効果ガスの排出を実質0にする | 2050年 |
パリ協定 | 2013年度基準で 温室効果ガスを26%削減 |
2030年 |
SDGs | 7番目,13番目の取り組み (日本ユニセフ) |
2030年 |
日本は3つの環境目標の達成に向けて、太陽光発電を促進しています。カーボンニュートラル・パリ協定・SDGs、主に3つの目標があります。
目標を期限までに達成するには、太陽光発電の普及が重要です。補助金などで後押ししています。
日本は太陽光発電の2030年問題に今後対応する必要がある
今後、日本は2030年問題に対処する必要があります。太陽光パネルの廃棄が増えて、最終処分場の処理能力を超えるという課題です。
太陽光パネルの寿命は20~30年といわれており、2030~2040年に廃棄されるパネルが急増する見込みです。
有害物質で悪影響を及ぼさないような廃棄方法や、処分場所の検討が課題として残っています。
世界では2023年に太陽光発電の導入が前年比で64%増加した
世界では2022~2023年に掛けて、前年比で64%新規導入が増えています。太陽光発電の推進は、世界中で進んでいます。
一方で、日本の新規導入数は、ほとんど横ばいで推移しています。導入を後押ししていますが、あまり伸びていません。
世界中で急激に設置数が増加しているため、日本の導入割合としては下がっています。
日本は国土面積に対しての普及率が世界トップクラス
日本は、国土面積に対して太陽光パネルの積載量が大きいです。2020年の調査によると、先進国でトップでした。
新規導入は伸びていませんが、累計ではかなりの数が設置されており、普及率としては世界的にも高いです。
産業用の売電価格は世界と日本で同等の基準
産業用の売電価格は、クリーンエネルギーを推進している国と同等の基準になりました。2023年に入札価格が8.55円になり、ヨーロッパ諸国に並んでいます。
買取価格は、太陽光発電の導入コストが反映されるため、技術革新や量産化が進んで普及したといえます。
太陽光発電の今後や将来性でよくある質問
太陽光発電の今後や将来性を考えると導入はいつがおすすめ?
A.
太陽光発電は、今すぐに導入するのがおすすめです。今後や将来性を考慮するのは大切ですが、固定買取制度がなくなる可能性があります。
2024年11月現在は、FIT制度で売電価格を10年保証してくれます。
また、補助金でお得に導入可能です。迷っているなら、まずは相見積もりを取りましょう。「ソーラーパートナーズ」や「タイナビ」がおすすめです。
太陽光発電の今後や将来性はどう?
A.
太陽光発電の将来性は、期待できます。今後、技術発展で発電効率が良くなったり、小型化される見込みです。現時点でも、過去の製品より性能が格段にアップしています。
普及に伴い、パネルの価格が下がる可能性もあるため、太陽光発電の未来は明るいです。
太陽光発電の今後の補助金はどうなる?
A.
太陽光発電の補助金は、再生可能エネルギーが推進されているうちは受け取れる可能性が高いです。
しかし、普及すると補助金制度がなくなる場合も考えられます。
2024年11月現在は、日本政府だけで3つの補助金があるので活用しましょう。地方自治体の制度とも併用できます。
太陽光発電のFIT制度は今後どうなる?
A.
基本的な枠組みは維持される可能性が高いです。しかし、事業用の状況を見ると、今後は固定買取制度のFITから市場連動型のFIPに変わる場合も考えられます。
FIT制度があるうちは、開始から10年間買い取り価格を保証してもらえるので、早めに導入するのがおすすめです。
太陽光発電パネルで将来性のあるペロブスカイト太陽電池とは?
A.
ペロブスカイトとは、新素材の太陽電池です。安い国産素材で大量生産でき、シート状で軽いので注目されています。
また、薄暗い場所でも発電できるメリットがあります。
しかし、発電効率は低く、耐久性が低いなどのデメリットがあります。今後、技術革新で普及が期待されている太陽光パネルです。
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太陽光発電の今後・将来性まとめ
太陽光発電の今後と将来性について
- 売電価格は低下しているが自家消費中心ならお得
- 太陽光発電システムの導入コストは下がっている
- 太陽光発電に関する技術革新が起きている
- 導入コストが低いなら事業としても問題ない
- 日本は太陽光発電の普及が進んでいる
太陽光発電の今後は、ポジティブな内容が多いです。導入コストが下がっているので将来性があり、自家消費するならお得です。
また、太陽光発電の技術革新は今後も進むと考えられます。発電事業で撤退した企業は存在しますが、収益性を考慮すれば今後も問題ありません。
日本は太陽光発電が普及していますが、現在も推進しています。今なら補助金で手厚いサポートが受けられるので、ぜひ導入を検討しましょう。
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